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がんは、現代の女性の健康を最も脅かす疾患の1つです。女性がこの疾患に立ち向かい、より良い結果を得るため、世界中の医療関係の政策立案者とリーダーは、女性のがんに対する検診と治療に関する現状を、きちんと理解することが必要です。世界ウィメンズヘルス指数は、女性の視点を重視し、女性医療の向上を推進するための、自己申告に基づいた信頼性の高いデータを提供します。

世界保健機関(WHO)によれば、がんは世界で第2位の死因とされており、2020年には1,000万人の死亡の原因になったと推定されています。

この数字は増加を続けています1。例えば、乳癌研究財団は次のように述べています。「乳癌は現在、世界全体で女性がかかるすべてのがんの4分の1を占めています。また、2008年以降、世界全体の乳癌の発生率は20%以上、死亡率は14%増加しています。」2

適切ながん検診を適切な時期に行うかどうかが、女性の生死を分ける大きな違いを生むのです。

 

女性におけるがん検診の重要性

検診は、がんなどの疾患を早期に発見するための重要な第一歩です。世界ウィメンズヘルス指数の調査では女性に対し、世界各地の女性の寿命に最も影響を与えている4つの疾患(高血圧、がん、糖尿病、性感染症)の検査を過去12ヶ月間に受けたかどうかを尋ねました。

2020年に12%テスト済み

世界全体を対象として2020年に実施した調査では、過去12ヶ月間に何らかのがん検診を受けたと回答した女性はわずか12%でした。

早期発見のためのWHOガイドラインに従うことで治療が促進され生存率が高まる可能性がありますが、それでもなお、当指数は女性に対する医療という重要な側面で世界の現状に大きな改善の余地があることを明らかにしています。

世界全体を対象として2020年に実施した調査では、過去12ヶ月間に何らかのがん検診を受けたと回答した女性はわずか12%でした。

一方で、およそ40の国・地域においてがん検診の受診率が10%未満でした。統計上の乳癌の比率がアジアで最も高いと考えられているパキスタンでは、検査を受けたと回答した女性は1%未満でした。パキスタンには乳癌の組織的な検診プログラムがないため、早期発見はほぼ不可能といえます。がん検診を受けたと答えた女性の比率が最も高いのが韓国で、女性の37%が過去12ヶ月間に検診を受けたと回答しました。

当指数が示すデータは、世界各地でのがん検診の必要性、必要性の認識、検査へのアクセスとのギャップを定量化するものです。このギャップがなくなるにつれ、より多くの女性が家族と、社会の中で、すべてのコミュニティを通じて人生に本格的に参加できるようになるのです。
 

がん検診

世界全体で、何らかのがん検診を受けている女性の割合が37%を上回る国・地域は存在しません。また、多くの国において、その割合は10%未満となっています。

女性に最も多いがんの種類

世界の女性で最も罹患率が高いがんは乳癌であることが、統計から示されています。2020年には世界で約230万人の女性が乳癌と診断され、残念ながら、そのうちの約685,000人が死亡しました。このショッキングな数字は、1日当たり約2,000人、つまり1時間当たり約80人の女性が死亡していることを意味します。一方、早期診断ができた場合の治療は非常に効果的であり、生存率は90%以上となります。5

肺癌、気管支癌、大腸癌、膵臓癌および卵巣癌もまた、女性にとってリスクの高いがんです。6

米国肺協会(American Lung Association)によれば、肺癌の診断例は増加傾向にあり、驚くべきことに過去40年間で女性の有病率は87%にまで増加し、それとは対照的に男性では同期間に35%減少しています。7 

WHOのGLOBOCANデータベースによれば、世界全体で大腸癌は女性で2番目に診断例が多いとされています。その他のがんと異なり、大腸癌の発生リスクはライフスタイルを変えることで軽減できますし、大腸癌検診による早期発見で生存の可能性が高まります。8

膵臓癌は、世界中のがん関連の死亡例では第7位の死因となっています。しかし、その他の多くの疾患と異なり、死亡者数は先進国であるほど多く、女性よりも男性に多く発生します。喫煙などライフスタイルの問題が膵臓癌の有病率に寄与していますが、遺伝的要因も関係してきます。アメリカ国立衛生研究所によれば、「健常者を対象とした検診が早期段階での疾患の発見に役立つとは考えられていませんが、より新しい技術と厳密に対象を絞った(特に血縁関係者に病歴のある人々)の検診について現在評価が行われています。」9

卵巣癌は女性で8番目に多いがんです。がんが身体中に広がるまで症状が現れないことが多く、診断は困難です。アメリカ家庭医ジャーナル誌(American Family Physician Journal)では、卵巣癌の初期症状が発生した場合、経膣超音波検査、血清中のCA125検査および骨盤内検査を推奨しています。10

 

がん検診の改善に関する指針

がんに関しては、希望を与えてくれるデータがWHOから示されています。WHOの報告によれば、医療制度が強固な国では、がん検診の受診のしやすさとそれに伴う良質な治療およびがんサバイバーのケアのおかげで、乳癌など多くの種のがんで生存率が改善しています。実際に、一部の国では乳癌生存率を年2~4%向上させています。11

世界ウィメンズヘルス指数は、世界中の女性が持つ実際の経験を詳細に示すことによって、家族、地域社会、社会全体と経済が、がん検診とがんの治療結果の改善に向けて動き出すための認識を高める役目を果たします。

 

女性の健康は全世界の健康です

2020年版世界ウィメンズヘルス指数の詳細な調査結果を確認するには、レポートをダウンロードしてください  。