Share:

性感染症は世界中のウィメンズヘルスを脅かしています。その影響を弱めるためには、世界各地の医療関係の政策立案者とリーダーは、女性の性感染症に対する検診と治療に関する現状を、きちんと理解することが必要です。世界ウィメンズヘルス指数は、女性の視点を重視し、女性が直面する問題を改善するための、自己報告に基づいた信頼性の高いデータを提供します。

 

問題の範囲

世界中で、1日に100万人以上の人々が性感染症に感染しています。

性感染症は、信頼するパートナーが感染源であることが多く、多くは無症状です。1

また、影響が及ぶのは感染した個人にとどまりません。母子感染は、死産、新生児死亡、低出生体重児や未熟児、敗血症、肺炎、新生児結膜炎および先天性奇形を引き起こす可能性があります。2016年には、約100万人の妊婦が活動性梅毒にかかっていたと推定され、結果として35万人を超える異常出産が発生しており、そのうちの20万人は死産または新生児死亡でした。2

性感染症に苦しむ女性は、社会的および経済的に深刻な問題に直面する可能性もあります。無症候なままでの他者への感染、疾患が不妊の原因となることによる非難、さらに暴力、放棄や離婚を経験する場合もあります。また性感染症により仕事の休業や失業につながる可能性もあり、その結果、感染を患う人々の収入が減少することも考えられます。3

WomenSTI_1in10

2020年の調査時に、過去12ヶ月間に性感染症の検査を受けたと答えた女性は世界中で9人中1人未満でした。

適切な対応の欠如

性感染症により重大な健康リスクが発生するにも関わらず、過去12ヶ月間に性感染症の検査を受けたと回答した女性が世界中で9人中約1人(11%)に過ぎないことを当指数が明らかにしています。実際に、2020年に調査された116の国・地域のうち56の国・地域で、検査を受けたと報告した女性は10人中1人未満でした。

検査を受けた女性の割合は、国および地域ごとに大幅に異なりました。ザンビア(48%)、南アフリカ(47%)、タンザニア(46%)などの国では、女性のほぼ半数が検査を受けたと回答しています。この理由は、この地域一帯におけるヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染率が高く、各国が既に広範な検査措置を実施していることにあるでしょう。4

アフリカのサハラ砂漠以南にある同地域は、HIV、特に女性のHIV感染による打撃を最も強く受けています。世界人口の約6.2%が住むこの場所に、HIVを患う人々の世界総数(2,060万人)の過半数(54%)がいるのです。米国国際開発庁は、この地域一帯に関して次のように述べています。「HIVに新規感染する15~19歳の若年者のうち、7人中6人は少女たちです。15~24歳の若い女性は、男性に比べてHIVに感染している確率が2倍高いと考えられています。2020年には、1週間当たり約4,200人の15~24歳の女性がHIVに感染しました。」5

性感染症の検査
性感染症の検査

性感染症の検査受診率は、国と地域ごとに大幅に異なり、検査には多くの障壁が存在します。

適切な教育の枠組みと検査技術があれば、性感染症のリスクと影響を減少させることが可能ですが、検査と治療に関して世界各地で大きな障壁が立ちはだかっています。

性感染症の検査と治療に関する障壁

世界保健機構は、以下のような障壁をあげています:

  • リソースの不足、偏見、質の低い検査サービス、性的パートナーのフォローアップ調査がほとんどあるいは全く行われないこと
  • 特に無症候性の感染症の場合、日常的な医療サービスを通じて利用できる検査と治療が欠如していること
  • 性感染症の発生率が最も高い、社会から取り残された人々のための適切な医療サービスへのアクセスがないこと
  • 低所得国および中所得国では診断用の検査が受けられないこと
  • 安価で迅速な検査がほとんどなく、通常、梅毒とHIV用のみであること6

 

性感染症とそれに伴う偏見を防ぐ方法は多々あります。しかし、性感染症の発見と治療は、それよりはるかに複雑です。体系的な検査が出発点になり得ますが、治療の受けやすさを改善することも必要です。

世界ウィメンズヘルス指数が示すデータは、女性が直面する重大な問題の1つに取り組んでいくため、検査の頻度を増やし、医療の質を改善する利点を示唆しており、健康衛生や地域社会の指導者に改善の方向性を提示する助けとなり得ます。これが実現すれば、世界中のより多くの女性が自らの健康の恩恵を享受しつつ、家族、地域社会、社会全体、ひいては経済の繁栄を手助けできるようになります。
 

 

女性の健康は全世界の健康です

2020年版世界ウィメンズヘルス指数の詳細な調査結果を確認するには、​​​​​​​レポートをダウンロードしてください 。